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駆け込み需要

なぜ2019年の「駆け込み需要」は「冷え込み需要」となったのか?自動車リースの営業担当に訊いた本音

駆け込み需要

「増税前の駆け込み需要が振るわない」ーー。大手自動車リース会社に勤務する役職員は浮かない顔で答えた。

10月1日に消費税率は10%に引き上げされる見通しだ。2014年に実施された前回の消費税増税からわずか5年での更改となる今回の増税だが、2014年当時と今とでは消費者の動きに雲泥の差が見られている。

一般社団法人「日本自動車販売協会連合会」が発表したデータによると、2019年7月の新車販売台数は乗用車貨物車の合計で300,799台、前月比でこそ103.6%を計上しているものの、前年同月比では101.1%とほぼ同水準となっている。

即納できる場合を除けば、軽自動車でも自動車の納期は1か月以上はかかる。増税前の自動車販売の商戦は既に終盤に差し掛かっており、かつ敗戦色が濃厚だ。

 

消費税が5%から8%に引き上げられた2014年4月では、直前の3ヵ月で前年比約2割増と大きく台数を伸ばしていたが、反動となる増税後の消費の落ち込みも深刻な問題となった。

その教訓を踏まえて、増税後の消費落ち込みを抑えるべく、政府は同日10月1日に自動車税制を改正することを発表している。自動車取得税は廃止、自動車税の税率は引き下げられ、新たに環境性能割が導入される。この環境性能割については、2019年10月1日から2020年9月30日までの間、臨時的に軽減された税率が適用される制度になっている。

しかしながら、駆け込み需要の落ち着きについて、税率の緩和政策による抑止力が要因かと問われれば、「それだけではない」と答えるしかない。

むしろ一般消費者にとって、今回の自動車税制改正の内容は非常に分かりにくい。車種によっては増税前後で損得が逆転してしまうこともある。こうした事情も足を引っ張る一因となっているだろうが、それ以前に増税に対する国民の興味関心や世論の盛り上がりにおいて、2014年増税時と比べていまいち熱量に欠けている感が否めない。

前回の増税時は5%から8%と税率の変動幅も今回以上であり、実に17年ぶりの税制改正として国民からの注目度も高かった。特に自動車においては、4月の増税を前にして、1~3月は新車販売の繁忙期でもあり(車検更新が集中)、時期的にもベストなタイミングだったことがある。

ここまでの経緯を辿ってみれば、10%への消費税率の引き上げは2度も見送りされており、2019年に入ってからも与党である自民党内でさえ、幹事長代行が消費増税の延期はあり得るという趣旨の発言を行ったりと、増税実施への是非について一枚岩になっていたとは言いがたい背景があった。

7月に行われた参院選で自公が勝利したことから少しは見通しが明るくなったものの、これまでの増税に対する先行きの不透明さが消費者の腰を重くしてしまい、今もなお消費者側は確信を得られぬまま足踏みをしていることに疑いはないだろう。

もう一つ、2014年と比べて自動車業界を取り巻く環境が大きく変化した、あるいは現在進行形で変化していることがある。

それはモノの消費に対する考え方そのものであり、「所有」から「使用」へと変わる意識の変化に象徴される。

一括で大きな買い物をするのではなく、いわゆる「サブスクリプション」と呼ばれるような、少額かつ定額を継続的に払い続けるビジネスモデルが、ここ数年において飛躍的に成長し、一般層にも浸透した。

諸費用を含めた定額サービスについては、自動車では既に「カーリース」や「カーシェアリング」などのサービスが存在しており、十数年前までは主に法人向けだったカーリースも、ここにきて個人世帯への認知度が高まっている傾向にある。

ならば定額制のカーリースは増税を前にして好景気となっているのだろうか? 答えは「NO」だ。

カーリース販売に携わる関係者は「前年に比べ個人向けカーリースの実行台数は増加している」と話すが、「マイカーリースにおいても期待していたほどの需要の動きは見られない」「増税後の消費落ち込みも予想されるので油断はできない」と警戒を強めている。

10月1日よりも前に車両登録が完了したリース契約であれば、リースプランによっては増税後も消費税率8%が適用されるメリットを享受できる。消費者の「静観」が思わぬ逆風となり、追い風となるはずだったメリットを相殺してしまったことが、リース会社にとって大きな痛手となった形だ。

日本自動車リース協会連合会(JALA)が公表したデータによれば、6月度の「リース車月次契約台数」は前年同月比の100.0%に留まった。右肩上がりを続けている個人向けカーリース市場も、増税前の「冷え込み」需要の余波からは逃れることができなかったようだ。

せめてもの救いは、駆け込み需要が落ち着いているからこそ、増税後の反動も影響が少ないのではないかと予想する余地があることだろう。10月以降の需要の動きに注目したい。

 

駆け込み需要による恩恵にこそ与れなかったものの、大手自動車リース会社のオリックス自動車株式会社は、2004年に個人向けカーリース「いまのりくん」の販売を開始して以来、順調に契約台数を伸ばしている。

 

マイカーリースと商標

>出典:カーリース・オンライン「オリックスのマイカーリース」

 

同社は2012年に「ワンプライス中古車リース」の取り扱いを始め、個人向け中古車リース市場にいち早く参入した実績がある。

関係者によると、「自動車において所有から使用へと消費者の意識が変化していることはつまり、もはや車が『資産』ではなく『道具』になりつつある兆しなのでは」という指摘も上がっているという。消費者の車に対する主観的価値が下がれば当然、新車にこだわる必要もなくなってくる。要は、車は安全に走ることができさえすれば良いのだ。求められる機能は限定されつつある。

オリックス自動車のマイカーリース販売サイト「カーリース・オンライン」で展開されているキャンペーンに注目してみても興味深い傾向が伺える。

2018年に展開されたキャンペーンは、新車リース・中古車リース共通の「お年玉特選車」・「オータムフェア」と、新車リース限定の「軽自動車ベストテン」、そして中古車リース限定の「在庫一掃セール」となっている。

対して2019年に実施されたキャンペーンは、中古車リース限定の「在庫一掃セール」・「決算セール」・「中古車リース大感謝祭」・「夏得キャンペーン」と、すべて中古車リースに特化した企画を打ち出している。

関係者は「中古車リースの需要が徐々に高まりつつある」と前置いた上で、「インバウンド需要を見据え、レンタカー用に輸入車の導入を進めているが、レンタアップした大量の輸入車を個人向けリース商品として販売する可能性もある」と話している。

 

高品質かつ低価格の輸入車リースが実現できるとなれば、通常の個人向けカーリースとは異なる顧客層を囲い込むことができるかもしれない。今後の「個人向け中古車リース市場」の動きに注目が集まっている。

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