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長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

【長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産】大浦天主堂ほか知っておきたい12の構成資産に関する情報まとめ

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は2018年7月に世界文化遺産として、国内では22件目となる世界遺産に登録されました。

潜伏キリシタン関連遺産は、長崎県と熊本県にある全部で12の資産で構成されています。

その特異な遺産の特徴と、12の資産について詳しくご紹介します。

 

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産としての登録基準

大浦天主堂

世界遺産登録年:2018年

登録基準

(ⅲ)現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の存在に関する独特な証拠を伝えるもの

 

遺産概要

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、ユネスコが定める世界遺産登録基準における、「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」の基準を満たし、世界遺産として登録されています。

具体的には、禁教政策による厳しいキリスト教弾圧のなかで、宣教師が不在の下、信者のみで「潜伏キリシタン」として2世紀半もの長きに渡り沈黙を守り密かに信仰を続けた固有の文化がこの基準を満たしていると評価され、世界文化遺産として登録されました。

信仰を秘かに守り続けながらも、日本の伝統的な宗教や一般社会とも共生し、存続させるにあたり生き方や暮らし方をも作り上げていった、類を見ない独特の文化が評価されています。

登録基準から見る「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の類を見ない特徴

潜伏キリシタン関連遺産を構成する12の遺産のうち、潜伏キリシタンが信仰を密かに続けた集落がそのほとんどを占めており、この点が長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の最大の特徴です。

建築物ではなく、文化的景観が遺産のメインとなっている事例は日本の世界遺産では他になく、棚田のような農地が遺産として登録されたのもこの遺産が初めてとなっています。

構成資産には潜伏キリシタンが移り住み形成した離島の集落も多く含まれています。後発の集落にあたる潜伏キリシタンたちの、先住の仏教徒たちとの「共生」や、当時は病人の療養地として隔離地であった離島に移ってまでもその信仰を貫いた、日本的とも言える独自の信仰の形態も評価され登録に至りました。

 

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の12の構成資産と4つの歴史区分

平戸の聖地と集落

12の構成資産

潜伏キリシタン関連遺産は以下の12の資産となっています。

1.原城跡
2.平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)
3.平戸の聖地と集落(中江ノ島)
4.天草の﨑津集落
5.外海の出津集落
6.外海の大野集落
7.黒島の集落
8.野崎島の集落跡
9.頭ヶ島の集落
10.久賀島の集落
11.奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)
12.大浦天主堂

4つの歴史区分

2世紀半もの間、密かに信仰を守った歴史は、【1】「始まり」、【2】「形成」、【3】「維持、拡大」、【4】「変容、終わり」の4つに区分されています。

長崎と天草地方の潜伏キリシタンが潜伏することとなった契機、信仰の実践、維持、拡大のための試みを経て、宣教師との接触により潜伏が終わりを迎えるまでの歴史区分に沿って、以上の12の資産が構成されているかたちとなっています。

【1】「始まり」

「宣教師不在とキリシタン潜伏のきっかけ」
1.原城跡

禁教初期に、島原と天草の潜伏キリシタンによる「島原・天草一揆」の舞台となり、その後潜伏キリシタンが密かに自分たちで信仰を続けていく契機となった地です。

【2】「形成」

「潜伏キリシタンが信仰を実践するための試み」

2.平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)
3.平戸の聖地と集落(中江ノ島)
4.天草の﨑津集落
5.外海の出津集落
6.外海の大野集落

潜伏キリシタンが信仰を実施するため、独自の対象を崇拝するという試みを行った集落です。

「平戸の聖地と集落」は、日本古来からある自然崇拝にならい、山や島といった自然を崇敬することで密かに信仰を続けた集落です。

「天草の﨑津集落」では、あわびの貝殻の内側にある模様を聖母マリアに見立てたり、漁村生活に身近なものを崇敬するという、漁村特有の信仰を行いました。

【3】「維持、拡大」

「潜伏キリシタンが共同体を維持するための試み」

7.黒島の集落
8.野崎島の集落跡
9.頭ヶ島の集落
10.久賀島の集落

出津集落、大野集落で培われた石積みの技術が野崎島、頭ヶ島、久賀島のそれぞれの集落に伝わり発展しました。この石積みの「伝統技術と管理システム」は集落景観の特徴とされ、世界遺産登録にあたり評価された点のひとつでもあります。

【4】「変容、終わり」

「宣教師との接触による転機と潜伏の終わり」

11.奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)
12.大浦天主堂

大浦天主堂は、日本の開国によって来日した宣教師が建造した国内最古の教会です。潜伏キリシタンが自分たちの信仰を宣教師に告白したことで「信徒発見」に至り、「潜伏」は終わりを迎えます。

まとめ

グラバー邸

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、厳しい弾圧の中で「潜伏」を余儀なくされ、2世紀もの長きに渡り密かに信仰を守った歴史と文化が世界遺産となっている、類まれな世界遺産です。

潜伏キリシタンが育んだ独特の伝統を物語る証拠を巡り、同じ日本人として彼らの崇高な魂に触れてみる旅はきっと特別なものになるはずです。

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