広島県にある原爆ドームは、日本で5番目に世界遺産に認定されました。
「戦争の悲惨さを後世に伝え静かに建つ」原爆ドームに行くなら知っておきたい情報についてまとめてみました。
世界遺産・原爆ドームに行くなら知っておきたいイロイロ
世界遺産登録年:1996年
登録基準
(ⅵ)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)
遺産概要
原爆ドームは、日本で5番目に世界遺産に認定された世界遺産ですが、日本の中では珍しい「負の遺産」です。
世界遺産「負の遺産」とは
世界遺産の中で、負の遺産と呼ばれているものがあります。世界遺産の負の遺産と言うのは、「戦争や奴隷そして核」などそれぞれ人類の歴史の中でマイナスの局面を持った物が、「未来・平和」などへ伝えたいメッセージを持っている世界遺産を指します。原爆ドームは、日本では他にないその負の遺産の中の1つです。他の負の遺産の中には、第二次世界大戦で多くのユダヤ人が殺されたポーランドの「アウシュビッツ強制収容所」などが指定されています。
原爆ドームの伝えるメッセージ
原爆ドームは、1945年8月6日に日本に投下された原子爆弾によって被爆した建物です。原爆の悲惨さを後世に伝える被爆建築物となっています。「二度と同じ悲劇を繰り返してはならない」というのが負の遺産である原爆ドームに込められた願いです。
原爆ドームは何の建物だった?
原爆ドームは、今は原爆ドームと呼ばれていますが建物が作られた当時は、「広島県広島県物産陳列館」でした。広島市は、日清戦争で急成長した都市で経済が拡大していったために「広島県の特産物」の販売や開拓が急務でした。そして作られたのが「広島県広島県物産陳列館」です。広島県で作られた物産などが展示されているモダンな建物でした。1915年8月5日に開館しました。その後何度か名前が変わったり、中身が変わったりして一時は美術展が開催されるなどして広島の文化拠点としても活躍しました。けれどやがて戦争が激化してくると、奨励館業務としては使えなくなり、行政機関・統制組合の事務所として使われていました。
そして原爆投下の日
1945年8月6日、広島の街に落とされた原子爆弾は広島の街を破壊しました。原爆ドームは、爆心地から160メートルという至近距離にありました。なので、爆風と熱風により建物が大きく破壊され全焼してしまいました。この建物にいた職員たちは、残念ながら全員即死してしまいました。しかし、爆風がほとんど上から来たために奇跡的に倒壊せずに現在の様にレンガや骨組みが建物の体裁で残りました。
世界遺産認定へ
原爆ドームは結局、骨組みを残して全焼してしまっていましたが、原爆や戦争の悲惨さを現代に伝える建物として1996年に世界文化遺産に登録されました。世界遺産に登録するには「歴史が足りない」とか、「倒壊しそうだから取り壊した方が良い」など様々な意見があり、また「建物を見ると悲しい記憶を思い出すから取り壊してほしい」などの意見もありましたが、保存され、世界遺産へと登録されました。
世界遺産・原爆ドームに行ったらここを見よう!
悲惨な戦争の・核兵器の歴史を持ち、川沿いに静かに佇む原爆ドーム…原爆ドームは、内部に入ることはできません。ただし外からしっかりと中を見ることができます。内部は補修はされていますが、レンガなどの様子などは当時のままです。なので、その建物の様子から、当時の悲惨さを想像してみてはどうでしょうかまた。更に、原爆ドームへ行ったら原爆ドームのすぐ近くにある平和記念館はぜひとも訪れたいスポットです。展示物や写真によって、原爆の恐ろしさを感じることができると思います。今では想像がつかないような写真などが展示してあり、「こんなひどいことが過去にこの場所で起こった」ということを実感できると思います。
平和記念公園内にある原爆の子の像を見るのもオススメです。像のモデルになった女の子は、小さい頃に被爆して原爆の後遺症で若くしてこの世を去りました。千羽鶴を奉納できるので、ぜひ千羽鶴を折って平和を願ってはいかがでしょうか。
原爆ドームについて学んでから原爆ドームを訪れる…
世界遺産と言うと、どちらかと言うと楽しい楽しい観光地と言う色合いが強いですが、原爆ドームは観光と言うよりは学ぶためにおとずれることをお勧めする世界遺産です。なので修学旅行シーズンになると、多くの学生が訪れる定番の修学旅行先でもあります。平和となった今、知識を身を身に付けた上で原爆ドームを訪れると更に学ぶことは多いと思うし、感じることも多いと思います。
世界遺産・原爆ドームの基本データ
原爆ドームの所在地:広島県広島市中区大手町1丁目10
アクセス:JR広島駅から広島電鉄「原爆ドーム前」下車すぐ
まとめ
駅からも近く、アクセスのいい場所にあるので車でなくても手軽に行けるスポットです。
日本の悲しい歴史を刻んだ世界遺産ですが、「過去をみつめて未来の平和を願う」この思いを忘れないためにも是非1度訪れる事をおすすめします。